広告
日本で生活しているとよく聞きませんか。
なくても意味はわかるのにどうして使うの?
と思う表現だと思います。
実は「んです」は
情報を伝えるだけじゃなくて
感情や背景、相手への配慮を
伝えるための言葉なんです。
今日は日本語でとてもよく使われる
「~んです」について簡単にお話します。
今日のポッドキャストを聞いて「んです」の感覚を身につけてみてくださいね。
こんにちは。もえです。
このチャンネルは、日本語学習者の方が
日本の生活・仕事・会話になれるためのポッドキャストです。
教科書にはあまり載っていない日本語や
日本生活についてのいろいろなテーマについて
お話しています。
「んです」がある文とない文
一体何が違うのかわかりますか。
例「ラーメンが食べたいです。」
「ラーメンが食べたいんです。」
どちらもラーメンが食べたいことはわかりましたね。
では何が違うと思いますか。
一つ目の「ラーメンが食べたいです」は
ただの事実で
ただの情報です。
情報以上のことはありません。
聞いている人は「ふーん、そうなんだ」となります。
では「ラーメンが食べたいんです。」と「んですが」入るとどうでしょうか。
これは事実だけではなく
話した人の何かしらの気持ちが含まれていると
聞いている方は感じます。
うーん、この違い、分かりにくいですよね。
今日は色々な例を使って
この違いを見ていきたいと思います。
一つ目の例ですが、
例、大きなカバンを持っている同僚を見て
「出張なんですか。」
はい。「出張ですか。」ではなく
「出張なんですか。」という時。
どんな気持ちが含まれているか見ていきましょう。
これは、私はあなたが大きな荷物を持っていることに気づきましたよ。
何か教えてほしいな、どうしたんだろう、教えてください、という
相手に理由を求める気持ちが含まれています。
ですから「出張なんですか」に答える人は、
「はい、そうなんです。なんとかで…」と理由を説明することが
自然な流れになります。
一方で「出張ですか。」は
事実の確認をしているだけという印象になります。
答えるときは、「はい」で終わっても
不自然ではありません。
では次の例を見ていきましょう。
驚きを表す「んです」。
例「さっき家を出たのに、もう帰ってきたんですか!?」
これは「あなたはもう帰ってきたんですか」という
驚いた気持ちが含まれています。
もし「もう帰ってきましたか。」と言ったら事実の確認です。
ドアの音がしてドアが見える場所にいる誰かに
「なんとかさんはもう帰ってきましたか。」というのであれば自然です。
ですが、さっき家を出たのに
「あなたはもう帰ってきましたか。」と聞く場合。
この文脈だと、ドアを見ている私が、帰ってきたの分かっていますよね。
本人に事実を聞くのはちょっと不自然になりますから、
この文脈だと、その人に「もう帰ってきましたか。」というのは不自然です。
では次の例。
質問を柔らかくしたいときに使っています。
「お国はどちらですか。」
この質問、最初の頃によく聞かれましたよね。
これ「お国はどちらなんですか。」というと、
実は命令のように聞こえない、
距離と柔らかさを作るような「んです」の意味があります。
相手の気持ちを大切にするための、
柔らかくするためのクッションにもなります。
今と同じような感じで断り方。
例優しく断りたい、
はっきり断りたくないという時にも「んです」が使えます。
「今日飲みに行きませんか。」と
同僚に飲みに誘われた時、「すみません、行けません。」
そう言うとはっきり断っています。
ですが「すみません。今日は行けないんです」と言うと
柔らかく断ることができます。
「行けません。」だと事実情報を伝えているだけなので、
気持ちがありません。
つまり強い拒絶感を聞き手は感じます。
「んです」をつけることで、
断りたいわけじゃない事情があるという背景や気持ちを
その文の中に含ませて伝えることができます。
ですから柔らかく断ることができるんですね。
さらに「んです」があることで具体的な理由を続けやすいんです。
「明日早く起きないといけないんです」と言われたら
「うん、どうしてですか」と、相手は聞きたくなります。
そしてこの「起きないといけないんです」の中には、
「理由があるんですよ。」という気持ちが含まれています。
その他にも状況の説明が必要なとき、
例遅刻した理由を先生に説明するとき。
先生が「どうしたんですか」と言いますよね。
そのときに学生が「電車が止まったんです。」
これも先ほどと同じで、
「電車が止まりました。」だとただの情報です。
理由の説明まで言えていないという気になります。
さらに謝りたいという気持ちも含まれていません。
事実だけ言って「私は悪くない」と聞こえてしまいます。
でも「電車が止まったんです」と「んです」があることによって、
背景を説明する導入になります。
つまり何か事情があると相手は察するので、
相手が次の質問をしやすいです。
それから「ちゃんと理由を言おうとしているんだな」と、
先生は思います。
「ああ、そうだったんですね。何かあったんですか。」みたいに
優しく返してくれると思います。
似たようなものですが、
自分の状態や弱さを伝えるとき、
共感を引き出すための「んです」が使われます。
「元気ないね。大丈夫。」
「ちょっと頭が痛いんです。」
はい、この「んです」。
これも共感を引き出すために使っています。
「頭が痛いです。」だと事実情報を伝えているだけです。
でも「頭が痛いんです。」というと、
ちょっと私が困っています、
助けてほしいな、という気持ちが含まれているので、
相手が共感しやすいんです。
「ああ、大丈夫ですか。」とか、
心配しやすくなります。
「何か助けてほしいことはありませんか。」と続けることもできます。
次の例を見ましょう。
自分の意見を押し付けずに伝えたいときです。
例「あなたは日本語の聴解と読解、どちらが得意?」
「私は聴解が得意なんです。」
「私は聴解が得意です。」
これでも大丈夫です。
ですが今までと同じです。
ですますで終わると、事実を言い切っているだけなので、
自信があるようにも感じますよね。
ですが「聴解が得意なんです」と「んです」をつけることによって、
個人の感覚として話していたり、
その後に得意な理由とか、
他の話が続くように感じます。
それによって自分の得意なものを押し付けられている、
というような主張が弱まって、会話がスムーズになることがあります。
これ以外の使い方もまだまだたくさんありますので、
一緒に見ていきましょう。
例皆さんが知らないような情報を伝えるときです。
「これ、こういう意味があるんですよ。」
「〇〇ってこういうところがあるんです。」
今私がこのテーマでポッドキャストを話しているときにも、
よく使っている「んです」の使い方です。
びっくりですよね、面白いよね、というような意味を含んでいるのが、この「んです」。
それが相手にも伝わると思います。
次は予想する時の「んです」。
「なんで大きな荷物を持っているんだろう」という疑問を言っている人に対して、
「旅行に行くんじゃない。」
これで多分そうなんだろう、という予想の意味が含まれています。
次は非難するような言い方です。
授業中に携帯を見ている学生に、
先生が「授業中に携帯見てるんですか。」
これ「授業中に携帯見てますか。」はただの確認ですよね。
「携帯見てるんですか。」は、どうしてですか、良くないですよね、という
相手を非難するような気持ちが含まれています。
最後に、思い出すときの「んです」。
「今日は学校で漢字のテストがあるんだった。」
これも「んです」を使って、あ、思い出した、という気持ちが入っています。
事情や理由を続けたいときは「んです」を使って
「先生、お話があるんです。」
「コンビニに行きたいんですが。」
話を続けたい気持ちを伝えることができます。
ここまで「んです」の使い方を見てきて、
「んです」がない、ですますの文と「んです」の文、少し違いがわかりましたか。
実はここで気をつけなければならないのは、
「んです」は気持ちを含んでしまうということです。
ここまで聞くと、やっぱり「んです」って何でもつけた方がいいんじゃないの、って思いませんでしたか。
でもそれは少し違うんです。
「んです」を勉強すると、なんにでも「んです」をつけたくなってしまうんですが、
使い方が少し違うと困ってしまう場面もあります。
例「今日取引先との打ち合わせがあったんですが」
うんうん。
これはこの先何か言いたいので、これは大丈夫ですね。
「先方の予算が足りないと言われたんです。」
ここで報告が終わったとします。
上司はそれで続きがあると思います。
「言われたんです」には何か話した人の気持ちがあると思うからです。
例「今日取引先との打ち合わせがあったんですが、
先方の予算が足りないと言われたんです」と言われたら、
その報告した人は、さらに何か言いたいんだろうな、と
上司は思います。
ですから、前後にこの発話以外の文脈があると感じるんですね。
「んです」が多すぎると、
「私の話を聞いて!もっと話したいことがある!」という感じがしてしまうのです。
ここで報告を終わりたい場合は、
「今日取引先との打ち合わせがあったんですが、
先方の予算が足りないと言われました。」
これだけで大丈夫です。
「んです」をつけることによって、さらにその後に何か理由や言いたいことがある、というように
相手は察しますので、
一旦報告を終わりたいときは、
「足りないと言われました」と言い切ってしまいましょう。
あとは日常会話でも、
「今雨が降ってるんですから、今日は家にいます。」
「この店は人気があるんですので、
予約した方がいいですよ。」
これ、よく聞く気がします。
理由を説明するときに「んです」を使うケースもよく聞くんですが、
これは少し違和感があります。
から・のでを使って長い分にしていますよね。
から・のでが、そもそも理由を説明する文章です。
「んです」も理由を説明したいという気持ちが入っているんですけれども、
から・のでというのは、もうその時点で理由を言っているので、
使い方がちょっと重なってしまいます。
また理由というのは、ただの情報ですよね。
から・のでがあることで、
気持ちやその後の行動が後ろで説明されています。
ですから、ので・からの前の「んです」の
もっと話したいという気持ちは入れなくても大丈夫なんです。
これ、例「今雨が降っているんです」で
1回終わって、
「だから今日は家にいます」と
文を分けると、実は自然になります。
「この店は人気があるんです。だから予約した方がいいですよ。」とかですね。
他にも例、病院では
先生が「今日はどうしましたか」と聞きますが、
それに対して「足を怪我しました」と、
事実を確認して、それから事実を答える場所。
ここでは「んです」は使われません。
ですが、友達と会った時、
怪我した足を見て「どうしたんですか。」
「足を怪我したんです」と使ったりします。
友達と話すときは、事実の確認ではなくて
「大丈夫ですか。」
「心配ですね」とか、
「そうなんだ、大変だったんだよ」というようなことを伝えたい。
その気持ちを入れていっているので「んです」が使われています。
気持ちを乗せる場面と、事実を伝える場面で使い分けています。
つまり「んです」はどの文にも使える万能な文法ではありません。
でも、です・ますだけの文だと、気持ちが足りないと感じて、
少し距離が遠く感じてしまうこともあります。
「んです」は実はコミュニケーションを円滑にするために
非常に重要な文法です。
ただ「言いたいことがある」という意味が含まれているっていうことは、
たくさん言いすぎると、
言い訳のように聞こえてしまう場面や、
話がなかなか終わらないなぁ、という印象にもなってしまいます。
だから全てに「んです」をつけたらいいわけではないんですね。
日本語は空気・背景・気持ち・文脈を読むことがとても大切なので、
この「んです」を使いこなせると、
より自然にコミュニケーションすることができるかもしれませんね。
次に会話するとき、ぜひ「んです」を使ってみてください。
きっと会話の雰囲気が変わると思います。